岐阜県現代陶芸美術館「荒川豊蔵展」

11月12日(火)、セラミックパークMINOへ行き、
国際陶磁器フェスティバル美濃'24 のメインイベント
「国際陶磁器展美濃」を見たことは前記事に。

セラミックパークMINOの2階にあるのが
岐阜県現代陶芸美術館

ギャラリーⅠでは

「生誕130年
 荒川豊蔵展」をやっています。
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桃山時代の志野が美濃で焼かれていたことを自ら発見した陶片により実証し、そして「志野」と「瀬戸黒」の二つの重要無形文化財の保持者(人間国宝)となった岐阜県出身の荒川豊蔵(1894-1985)。生誕130年の機会に、現代へと続く美濃陶芸の先駆者であり、そして近代日本の陶芸をリードした、荒川の人となりを振り返ります。(チラシ裏面の文より)

美濃焼の作家として、まず第一に名前が挙がるのが荒川豊蔵

岐阜県美術館・岐阜県現代陶芸美術館をはじめ、
多治見市美濃焼ミュージアムには荒川豊蔵展示室があり、
(加藤孝造氏から受贈されたものだそう)
荒川豊蔵氏の作品はあちこちで見てるし、
多治見市美濃焼ミュージアムで、
荒川豊蔵の茶碗でお抹茶をいただいたこともあるんですが、
https://shizukozb.seesaa.net/article/2024-07-14.html
どうも私にはすごさがよくわからない‥‥

なので、岐阜県美術館の後援会員証で
無料で見れるしーってくらいで入ったんです。
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(展示会場内撮影禁止)

Ⅰ.プロローグ 人間国宝 荒川豊蔵

国立工芸館をはじめ、荒川豊蔵資料館、瑞浪市陶磁資料館、
清荒神清澄寺、多治見市美濃焼ミュージアムから出品された
志野や瀬戸黒の作品が並んでました。
いわゆる代表作? 私にはよくわからないながらも、
なんかいいな‥‥って感覚は伝わってきました。


Ⅱ.東山窯と星岡窯 やきものに風雅なのがあるのを知る

最初から陶芸家を志したのではなく、
色々苦労してるんだなって。
多治見尋常高等小学校高等科二年修了後、12歳で
神戸の貿易商で働き、多治見に戻って働き、
京都の私塾で1年間学び、名古屋で働いたり、
画家になろうと決意して東京に向かうが断念し、
京都の宮永東山窯に工場長として勤めます。
そこで一流のやきものを見る機会を得たり、
北大路魯山人と知り合い、鎌倉の星岡窯で働きます。


Ⅲ.荒川豊蔵の陶芸

昭和5年(1930)魯山人と名古屋で関戸家所蔵の
《志野筍絵茶碗銘玉川》を見て、高台についた赤い土に気付き、
志野は瀬戸で焼かれたという通説に疑問を持つ。
その2日後、可児市の古い窯跡から筍絵の陶片を発見。
古志野が美濃で焼かれていたことがわかり、
日本の陶磁器史の定説を覆す大発見だった。

この時のことを思い出して描いた絵が展示されていました。
豊蔵さんのとても嬉しかったことなんですね。
さすが、画家を志しただけあっていい絵だなって。

ここから豊蔵さんは、陶片を発見した場所に窯を築き、
400年前と同じ方法で志野を焼こうと決心します。

陶芸家に弟子入りとかしたのではなく、
陶片から学ぶ試行錯誤の制作だったわけですね。

志野、黄瀬戸、瀬戸黒などの作品が展示されていました。


Ⅳ.暮らしとともに 水月窯と大萱窯

昭和21年(1946)、「心やすらぎなごむ家庭用の器を」
ということで、多治見の虎渓山永保寺の山を借用して
「水月窯」を築きます。


Ⅴ.描く、愉しむ

画家を志した豊蔵ですから、染付や色絵の器も
多く展示されていましたし、書画もいいですね。


Ⅵ.交友 芸術家との共作、五窯歴遊

多くの陶芸家・芸術家と交流した豊蔵。
川合玉堂が絵付けをした茶碗や、
前田青邨が作ったものを豊蔵が焼いた香合なども
展示されていました。


Ⅶ.収集品にみる豊蔵の眼と作品へへのひろがり

16世紀の志野や瀬戸黒茶碗や陶片をはじめ、
尾形乾山の絵角皿、そして
展示は複製だったけど「宗達鶴図光悦書和歌巻」

え?! この《鶴下絵三十六歌仙和歌巻》豊蔵が持ってたの?!!
昭和35年(1960)、この絵巻を発見して入手したと。
現在は、国の重要文化財となり、京都国立博物館が所蔵

この絵巻の鶴の模様のような鼠志野の茶碗、見たことあるような。


Ⅷ. エピローグ

最後に、写生・作陶道具や陶印、手控帖、
著書の表紙として作られた陶板なども展示されていました。


抹茶茶碗とか、どれも同じに見えてよくわからないーなんて
思ってたんですが、荒川豊蔵展、絵が味があって良かったし、
陶の作品もなんかいいなと。


で、今更ですが、ちょっと興味が出てきまして、
荒川豊蔵資料館へ行ってみたいなと。


11月12日(火)の岐阜県現代陶芸美術館の展示のことはまだ続くんですが、
11月24日(日)に、荒川豊蔵資料館へ行ってきたので、
次の記事ではそちらのことを先に書きたいと思います。


岐阜県現代陶芸美術館: https://www.cpm-gifu.jp/museum/

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