国際陶磁器フェスティバル美濃'24

11月12日(火)、多治見にあるセラミックパークMINOへ行ってきました。
岐阜県現代陶芸美術館も入っている施設で、

私は岐阜県美術館の後援会会員証で、
岐阜県現代陶芸美術館の企画展も見られるので、
企画展毎に行っているんですが、
(前回は「リサ・ラーソン展」でした)
https://shizukozb.seesaa.net/article/2024-07-10.html
しばらく猫の介護で行けてなかったんです。

「荒川豊蔵展」が11月17日(日)までなので、
‥‥まぁ、私、それほど見たい!ってわけでもなかったけど
せっかくなので行っとかなくてはと。(根がケチなんですよね(^^;>

セラミックパークMINOでは、ここをメイン会場に、
10月18日(金)から11月17日(日)まで、
「国際陶磁器フェスティバル美濃'24」が開催されています。
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「国際陶磁器フェスティバル美濃」は、日本を代表する陶産地である岐阜県多治見市・瑞浪市・土岐市・可児市を舞台に、1986年から3年に1度開催している世界最大級の陶磁器の祭典です。(もらったリーフレットより)
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私、2014年の第10回と、2021年の第12回は見に行きました。

2014年のことはこちら
国際陶磁器フェスティバル美濃'14
https://shizukozb.seesaa.net/article/2014-10-17.html

第11回が2017年に開催され、第12回は2020年の予定だったんですが、
コロナで開催が1年延期されて2021年となったので――

1年延期されて開催された2021年も、まだコロナの影響で、
会期が9月30日から10月17日の18日間だけで、
お茶会やランチ提供など、中止になったイベントも多く、
来場者も少なかったように思う。

駐車場からのアプローチには、2021年のグランプリ受賞者
麻匯源[Ma Huiyuan マー・ホイヤン]さんの作品が(グランプリ受賞作ではない)
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――第13回が今年2024年になったわけです。

国際陶磁器フェスティバル美濃のメインイベントは
国際陶磁器展美濃
世界中から陶磁器の作品が集まる国際的なコンペティションです。
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チケットは、7館入場セット券が当日1,500円
国際陶磁器展美濃
岐阜県現代陶芸美術館
多治見市美濃焼ミュージアム
多治見市モザイクタイルミュージアム
瑞浪市陶磁資料館
土岐市美濃焼伝統産業会館
荒川豊蔵資料館 に入ることができます。

国際陶磁器展美濃だけのチケットは800円、シニア(65歳以上)700円

7館入場セット券はお値打ちで、
岐阜県現代陶芸美術館の「荒川豊蔵展」の観覧料が1,000円なので、
それだけでモトはとれるんですが、私、岐阜県現代陶芸美術館は
入れるし、今回からシニア料金が適用される(^^)v ので、
単独券にしました。
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前回2021年は白を基調にした会場だったんですが、
今回は黒を基調として、展示台の中央には陶土が置かれてます。
平日にもかかわらず大勢の来場者が。高校生?の団体も来ていました。

立派なリーフレットももらえます。
撮影不可の表示がある作品を除き、ほとんどの作品が撮影可
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Light スペースに置かれていたこの作品、面白ーい!!
CIMATTI ANTONELLA《第8回 バーチャルミュージアム》イタリア
下からライトを照らすと、棚に見えるところを通して、上に影が映るみたい。
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鳴海製陶株式会社《FULL BLOOM - Object》日本
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陶磁器デザイン部門スタジオ分野の展示台
この色合い、面白い。
朴延宰[PARK YEONJAE]《;(セミコロン)》大韓民国
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須田あゆみ《Meta》日本
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西久松友花《魂の容れ物》日本
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青木良太《21世紀の抹茶椀》日本
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陶磁器デザイン部門ファクトリー分野
黄金色の器だ! ちょっと渋いところもいい感じ。
株式会社RYOTA AOKI POTTERY/青木良太《ブリンブリンの器》日本
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あ、これ書いてて気づいたけど、21世紀の抹茶椀と同じ
青木良太さんのファクトリーの作品なんですね。
今回、デザイン部門がファクトリー分野とスタジオ分野とあるけど、
違いがよくわからない。
(応募は各部門3作品までできるそうで、会場で
同じような作品あったなって見たら、同じ人の作品だったりと)


今回のグランプリ作品(陶芸部門)
IELIZAVETA PORTNOVA《Kiln(窯)》
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フランス在住のウクライナの人だそう。
戦争によって人間らしい姿を失ってしまった怪獣だとか。

このプールの周囲が今回の入賞作品の展示エリア。
金賞(陶磁器デザイン部門ファクトリー分野)
secca inc《AMU》日本
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手前が銀賞(陶磁器デザイン部門ファクトリー分野)
小田陶器株式会社 天野里栄《momotto -ももっと-》日本
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小田陶器さんは2014年の第10回でも銀賞を受賞されてます。
私、そのコップ気に入って買ったんですが(もちろん手頃だったから)
割ってしまって残念(T.T)
今回も洗練されたシンプルな器でいいですね。

奥も銀賞(陶磁器デザイン部門スタジオ分野)の
EOM HEEJAE《Dot series, Vase》韓国

銀賞(陶芸部門)
胡春宇 & 蒋玉婷[CHUNYU HU & YUTING JIANG]《Weaving into Ware》中国
紐を織って壺の形にしているのがユニークで面白い
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銅賞(陶芸部門)
蔡珉雨[CHAE MINWOO]《connection》大韓民国
ねじれた形も面白いけど、艶やかな白と銀色の質感もいい。
2つのセラミックモジュールを連結させて作っているそう。
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アイザワリエ《蝕甚》日本
ブロッコリーみたいな?(^v^)モコモコした質感が独特。
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審査員特別賞(菅谷富夫)受賞作品
曾蔓婷[ZENG MANTING]《故郷の記憶》中国
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審査員特別賞(ルパート・フォークナー)
川浦紗季《窒息》日本
生理的嫌悪感を感じてしまうような気持ち悪さが‥‥迫力
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坂﨑重雄セラミックス賞
沖村昇香《Beadwork bear》日本
ビーズでできたクマちゃん。カワイイ
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審査員特別賞(田嶋悦子)
徳丸鏡子《芽吹く精・発生の場》日本
この大きさ! 二本足で立っているのが迫力!
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大石早矢香《Yin and Yang - IWANAGAHIME, KONOHANASAKUYAHIME-》日本
この耽美な雰囲気、私好みです
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SUSAN BEINER《静寂の風景》アメリカ
布とか草のような柔らかそうな質感が面白い
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酒井智也《Connection 2022-2023》日本
カラフルでユーモラスでカワイイ。
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酒井智也さんは、やはりカラフルでカワイイ花瓶?が銅賞に選ばれてました。
(隣の作品が撮影不可だったので、写り込んでしまうのを心配して写真撮らなかった)

陶芸部門の展示台
堀貴春《OS2 Actuate Stag beetle》日本
陶でできた巨大なクワガタ。ツヤツヤの質感がいい。
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木野智史《颪(二重)》日本
シャープな形が素敵
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芥川宏《うおアラ》日本
魚のアラをリアルな形で作ってるんだけど、
どことなくユーモアがあって、素朴な質感に魅かれる。
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このあたり、不思議な形が並ぶなぁー いちばん手前が
小峰尚《億年の記憶》日本
古代の化石が合体したような?
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加藤智也《intron 2024-1》日本
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この人、第11回で金賞を受賞されてた方ですよね。
受賞作の《Topological Formation》は
岐阜県現代陶芸美術館所蔵となってます。
収蔵品データベースに画像あります:
https://jmapps.ne.jp/momca/det.html?data_id=21929

KIESKAMP EVELINE《虐げられた女王Ⅱ》オランダ
アン・ブーリンの生涯への賛辞だそう
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青木岳文《Vessel》日本
レース編みのような透ける器。繊細!
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HOU HONGMEI《風化シリーズⅡ》中国
流れるような優美な曲線、穴の形も素敵。
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NICHOLAS LEES《青緑軌道》英国
一見、シンプルな形に見えるけど‥‥
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李翔[LI XIANG]《オマージュ長沙窯2》中国
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胡春宇 & 蒋玉婷[CHUNYU HU & YUTING JIANG]《一連のブロック》中国
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書いてて気が付いたけど、銀賞に選ばれた紐で組んだ壺の作品と
同じ作家さんなんだ! ポップな色と形がカワイイ!

陳安琦[CHAN ON KEI]《Sustain Ⅲ》中国(マカオ)
ハイヒールがつながってるー
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陶芸部門ファイナリストの展示台
LIN ZHAO《ミラー・ライフ》中国
ハハハ、人とタヌキ!
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同じく LIN ZHAOさんの作品《虎と人間》
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手前の紐が絡まったようなのが
波多野亜耶《相克》日本
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矢次美穂《uvula》日本
ツヤツヤの質感と柔らかな形。でも私、
なんか衛生陶器を連想してしまったり(^^;
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前田晶子《Blue Plants 2023 Strange Fruits-1》日本
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大きな陶作品が吊り下げられていて迫力
見た目は重そうだけど、軽いのかな?
CHEN FEIXIAN《浮くものシリーズ 01》中国
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鈴木秀昭《宇宙的泉》日本
細かな装飾がされた便器を思わせる形は、
デュシャン《泉》をふまえた作品とのこと!
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DARIEN ARIKOSKI-JOHNSON《ゆがんだ図式》アメリカ
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張琨[ZHANG KUN]《『画像』シリーズ38》中国
モザイクタイル?
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WISAM AL-SAMAD《愛に出会う》ノルウェー
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金意陽[JIN YIYANG]《蝶》中国
蝶のようなモチーフ面白い、いろんな形にできるところもいい。
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WANG ZHAOJING《和して同ぜず》中国
不思議な縞模様の石(に見える)が並んでいる中に
小さな茶色い石(に見える)が置かれてる
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趙文婧[ZHAO WENJING]《ワタシ》中国
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彭学晶[PENG XUEJING]《フェニックス、蓮、馬、羊》中国
破れた紙のように見えるんだけど‥‥?
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金智淏[KIM JIHO]《私たち、ケージ》韓国
スパッと切られたような動物たち
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落ち葉が置かれている? のではなく、
喬芸芸[QIAO YUNYUN]《『磁化』シリーズ5』》中国
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山本幸嗣《地球》日本
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VIHAR KOTECHA《復活》インド
古代遺跡の柱みたいな‥‥
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《地球》とおなじく山本幸嗣さんの作品ですね《種》
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鈴木まこと《艶黒陶-鶉-》日本
端正な形なのに模様のせいで歪んで見えたりするのが面白い。
-鶉-か! 幾何学的な模様だけど、そんなイメージにも見える!
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MARY CASSILLY《二つの頭》アメリカ
瓦みたいな質感だなー
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刘兵[LIU BING]《Convex-13 & Convex-15》中国
有機物が膨らんでヒビが出た‥‥みたいな?
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デザイン部門のファナリスト展示台
プラスチック? ではなく、ガラスとセラミックでできています
ユースケ・オフハウズ《フワフワ(セカンドシーズン)》フランス
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今回、過去最高となる77の国と地域から3,890作品の応募があり、
10名の審査員により選ばれた203作品が展示されているとのこと。


1階ホワイエでは、美濃焼タイルの展示や、
(モザイクタイルでQRコードを作ってて面白いですね)
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美濃焼メーカーの「こだわりの器」で提供するカフェもありました。
(展覧会見てから来ようと考えてたら、営業時間終わってて残念)


1階イベントホールでは、
フラワーアレンジメントコンテストin MINO
中島晴美さんや酒井博司さんなど、美濃焼の有名作家の花器に
花が生けられていました。花器がかなり大きいので、花も豪華!

1階 国際会議場では「第26回 美濃茶盌展」が。
岐阜県現代陶芸美術館の展示を見終わって、まだ時間があったので
入ってみました。入場無料で出品目録もいただきました。
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銅賞の鈴木秀昭さんの《色絵釉裏金彩光輝茶碗》が、
キラキラで素敵って見たんですが、
(公式ガイドブックの写真右下)
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これ書いてて気が付きました、鈴木秀昭さん、
国際陶磁器展美濃で《宇宙的泉》が展示されてた方だ!


2階の岐阜県現代陶芸美術館の展覧会のことは次の記事で


国際陶磁器フェスティバル美濃'24: https://www.icfmino.com/
国際陶磁器展美濃: https://www.icfmino.com/iccm/

セラミックパークMINO: https://www.cpm-gifu.jp/
岐阜県現代陶芸美術館: https://www.cpm-gifu.jp/museum/

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