「若沖を超えろ!絢爛の花鳥画
生誕140年記念 石崎光瑤」展

え? 猫が屋根から落ちて大変だったんじゃない?
はい、自分でもよく行った、行けたなって思うんですけど‥‥
南砺市立福光美術館まで「石崎光瑤」展を見に行ったのは、
https://shizukozb.seesaa.net/article/2024-08-26.html
8月18日(日)のことでした。私好みの華麗な絵で良かったけど、
展示替えで、代表作の一つとされ、チラシにも使われている
《熱国姸春》が見られなかったんですよね。
加えて、南砺市立福光美術館では展示されなかった
大阪中之島美術館蔵の《白孔雀》も見ようとすると、
10月1日(火)~10月14日(月・祝)の間ってことを知りました。

10月1日(火)が、パートのシフトで休みになってたので、
この日に京都まで行こうって、計画していたんですが――
ミイの顎の骨折で、犬山動物医療センターでCTを撮ってきてほしいと
言われ、この日にCTが撮れるなら、もちろんそちらに行ったんですが、
問い合わせてもらったら、もう予約がとれないとのことで、
午前中に入院中のミイの面会と相談だけになり、
風邪で休んでいたダンナも、前からの約束があるから
事務所へ行くと言われて、最寄り駅まで送ったのが11時過ぎ。
今から京都まで行っても‥‥とは思ったんですが、
乗換案内で、まぁ15時までには着けるだろうということ、
展覧会が18時までやってるってことを知り、
ダンナを下ろしてそのままJR西岐阜駅まで走りました。
JR西岐阜駅前の駐車場に入れ、12:09発の大垣行に。
大垣で21分待ち12:41発で米原に13:17着
米原から新幹線を奮発したんですが、米原13:53発のひかり
で、待ち時間が長くてツイてないなー
(それでも快速で京都に行くより25分早く着く)
と思いながら、新幹線のホームに行くと、
なんかカメラ持った人とか結構いるなって思ったら、
わー、ドクターイエローだ!!
.jpg)
私、見るのは初めて。見ると幸せになれる?
-42584.jpg)
-93bd1.jpg)
-0e4b6.jpg)
-80fb3.jpg)
-db9b2.jpg)
米原13:53発のひかりで、京都に14:12着。
地下鉄烏丸線で「烏丸御池」下車。
京都文化博物館のHPを見て、5番出口から出ると、
逆光で上手く写ってないけど、赤レンガの堂々たる建物
-658a5.jpg)
京都銀行三条支店
三条通りへ折れて行くと、こっちも風格ある建物
中京郵便局
-d1ad9.jpg)
ただ、これ外壁と屋根のみ残して、内部は全く新しい
鉄筋コンクリート構造の建物に作り替えられたものだそう。
そして、その先の建物が京都文化博物館(別館)
-6830c.jpg)
東京駅や日本銀行を設計した辰野金吾と
その弟子・長野宇平治が設計した旧日本銀行京都支店
明治を代表する洋風建築として、国の重要文化財に指定されています。
.jpg)
-3b725.jpg)
建物内部も素敵!
-6bd65.jpg)
-8ffce.jpg)
‥‥で、展覧会会場は??
横の通路から別館建物裏手へ出て、本館(?)へ
-62abe.jpg)
中庭から見た別館
-eddb6.jpg)
「生誕140年記念 石崎光瑤」展は、4・3階展示室
新幹線の中でウェブでチケットを買っていたので、
https://www.e-tix.jp/ishizakikouyou/
(一般1,800円 南砺市立福光美術館の石崎光瑤展は1,000円だったんですけどね)
エレベーターで4階へ。
スマホ表示のチケットをかざして入場。
音声ガイドがあったので借りてみました。700円
4階は撮影可!!
-064aa.jpg)
南砺市立福光美術館では屏風、掛軸で会場が分かれていたけど、
ここではほぼ年代順に展示されていました。
第1章 画学修業と登山
《虫類写生》明治29~36年(1896~1903) 京都市立芸術大学芸術資料館
-59f08.jpg)
やっぱりこの図鑑のような細密描写には感心しますよね
《立山写生 巻一》明治40年(1907) 富山県美術館 より
-ef823.jpg)
登山にのめりこんだ光瑤
山や高山植物の写生、すごくいいなぁ!
-3323b.jpg)
山での写生を基に制作された画譜
絵としても美しいけれど、高山植物研究家・山岳写真家の
志村烏嶺の序文とともに、上下巻それぞれ12図ずつ、合計24図が
収められた、博物学的研究を目的にした植物画でもあると。
《高嶺百花譜》明治41年(1908) 南砺市立福光美術館
-29714.jpg)
あ、これ南砺市立福光美術館では気が付かなかったなぁ!
光瑤という雅号を師の山本光一から受けた
雅号証 明治30年(1897)
-4a5e0.jpg)
光瑤 本名・石崎猪四一(いしいち)は、12歳で
江戸琳派の系脈の画人 山本光一に師事します。
孝一のもとでの学びは、旧来の手習いではなく、
写生を基本としたものだったそうで、、
そのため《虫類写生》のような写実の絵が生まれたんですね。
《筧》大正3年(1914) 南砺市立福光美術館
.jpg)
-51a7b.jpg)
南砺市立福光美術館で見てとても気に入った作品!
音声ガイドで、宮内省買上げとなって、
屏風の枠に菊の飾り(?)がついていると聞いて、
金色の飾りに気が付きました。
これも南砺市立福光美術館ですごく気に入った作品
《森の藤》大正4年(1915) 南砺市立福光美術館
-af883.jpg)
ここではガラスケースの中なので、横からの写真は撮れないな(^^)
第2章 インドへの旅、新しい日本画へ
光瑤は第1次インド行に際して、
多くの富山の人々から経済的支援を得ていました
「光瑤渡印百画会 金銭出納簿」と「石崎光瑤画伯画会人名簿」
-66454.jpg)
インドからの光瑤絵葉書アルバム
-3a650.jpg)
石崎光瑤撮影《幻灯用彩色硝子板》一組より
-cf6ed.jpg)
第一次インド旅行でのスケッチより
《カシミヤ州の雀》大正6年(1917) 南砺市立福光美術館
.jpg)
そして、インド旅行の成果として制作し、
第12回文展で特選を受賞した作品
《熱国姸春》大正7年(1918) 京都国立近代美術館
-72cba.jpg)
-d2312.jpg)
この作品が見たくて京都まで来ました!
輪郭線がしっかり描かれた右隻
ビンロウの巨大な葉の重量感!
咲き誇る白い蘭の花!
-e5c38.jpg)
左隻は輪郭線がないために、もわっとした熱帯の
密林の雰囲気が伝わってきます。赤い花が鮮やか!
-0ab88.jpg)
《熱国姸春》に続いて、第1回帝展で連続の特選となった
《燦雨》大正年8(1919) 南砺市立福光美術館
-21766.jpg)
ガラスケースの写り込みで、うまく撮れてないんですが、
南砺市立福光美術館でも写真撮ったので、まぁいいか(^^;
-7ee80.jpg)
-3b4f5.jpg)
そして、こちらも見たかった作品
《白孔雀》大正11年(1922) 大阪中之島美術館
.jpg)
-332be.jpg)
羽を広げた白孔雀のふわふわと透き通るような美しさ!
-c8f45.jpg)
プラタナスの葉にのみ太い輪郭線が描かれていて、
装飾的なところも素敵!
これらインド主題の光瑤の代表作3点
《熱国妍春》《燦雨》《白孔雀》が同時に見られるのは、
10月1日(火)~14日(月・祝)の2週間、京都会場のみ ってことで、
この期間に行けて良かった。
《緑陰》大正9年(1920) 南砺市立福光美術館
-90b38.jpg)
バショウの葉がデザイン的に大胆に配置されていて
シンプルだけど面白い構図の絵だなって。
この作品、光瑤が昭和16年に代表作30点を選んで集成した
『林蘭居画冊』にも収録されている作品だそう。
光瑤も気に入っていた作品なんですね。
第3章 深まる絵画表現
《麗日風鳥》大正13年(1924) 南砺市立福光美術館
-2c880.jpg)
《鶏之図(若冲の模写)》大正15年(1926) 富山市郷土博物館
-b92c7.jpg)
大正14年、光瑤は、大阪・西福寺の障壁画《仙人掌群鶏図襖》を
若冲真筆と美術雑誌に発見報告の記事を書きます。
その《仙人掌群鶏図襖》6面のうち2面を模写したもの
南砺市立福光美術館で右幅を見たので、今回左幅が見られて嬉しい。
(京都文化博物館でも左幅が前期、右幅が後期展示)
(これ、作品リストでは第2章に分類されてるけど)
《雪》大正9年(1920) 南砺市立福光美術館
-47260.jpg)
これ、南砺市立福光美術館で見た時、すごく背丈の高い
屏風だなって見上げたけど、ここでは隣に
-cfd80.jpg)
《寂光》昭和4年(1929) 南砺市立福光美術館
-3afd8.jpg)
が並んでいたので‥‥逆に言うとこの作品がすごく大きいんだけど。
南国の濃密な雰囲気ではなく、静謐さも感じるような大画面。
《藤花孔雀之図》昭和4年(1929)
-099af.jpg)
エスカレーターで3階へ。3階は撮影禁止でした。
《熱国妍春》《白孔雀》を見たいと京都まで行ったんですが、
金剛峯寺奥殿襖絵の《虹雉》と《雪嶺》が再現展示されているのが
見られて、これがすごくいい! 京都まで来て良かったー!! と
(南砺市立福光美術館で《雪嶺》の8面が一列に並んでいたのは見たけど)
《雪嶺》のシャープな構成も格調高くていいけど、
《虹雉》のヒマラヤシャクナゲが咲き誇る華麗な襖に
囲まれた空間はすごく素敵!!
第4章 静謐なる境地へ
晩年の、私にはちょっと細密描写が行き過ぎちゃってるのでは?
と感じた菊や牡丹の作品
時局に合わせたのか、鷺などを襲う鷹を描いた作品が展示されていました。
南砺市立福光美術館でもウサギのふわふわしたカンジがすごく可愛いと見た
《遊兎》昭和21年(1946) 南砺市立福光美術館
-9ad5a.jpg)
(南砺市立福光美術館で撮影)
最晩年(光瑤は昭和22年3月25日没)の写生帖に
「枕辺の白と黒との仔兎を写し取りつつ今日も暮るゝか」
という短歌とともに黒兎のスケッチを遺しているそう。
最後まで写生をしていたんだなぁーと。
石崎光瑤展のチケットで、
京都文化博物館の2階総合展示が見られて、
(3階フィルムシアターも見られたそうだけど、そっちは行かなかった)
そちらもすごく良かったけど、長くなったので、
とりあえずここまで。
京都文化博物館: https://www.bunpaku.or.jp/
特別展「生誕140年記念 石崎光瑤」のページ: https://www.bunpaku.or.jp/exhi_special_post/20240914-1110/
「生誕140年記念 石崎光瑤」展は、
南砺市立福光美術館で、2024年7月13日(土)~9月2日(月)
京都文化博物館で、2024年9月14日(土)~11月10日(日)
静岡県立美術館で、2025年1月25日(土)~3月23日(日)
東京 日本橋高島屋で、2025年4月23日(水)~5月6日(火)と巡回します。
この記事へのコメント