「松本竣介『街』と昭和モダン
―糖業協会と大川美術館のコレクションによる―」

という展覧会をやっています。
チラシ表面に使われている松本竣介《街》1938年
展覧会のタイトルにもなっているけど、すごくいい感じ
公益財団法人大川美術館の所蔵
この展覧会、
公益社団法人糖業協会の日本近代洋画コレクションと、公益財団法人大川美術館のコレクションから選りすぐった約140点による、「昭和モダン」をテーマに構成した展覧会です。
糖業協会は、昭和11年(1936)の協会設立以降、美術品を収集してきました。協会の成長とともにコレクションは充実し、藤島武二、梅原龍三郎といった画壇の重鎮を含む、大正期末から昭和中期までの近代洋画の優品を所蔵しています。一方、大川美術館は、桐生市出身の実業家、大川栄二(1924-2008)が約40年にわたって収集した日本・海外の作家の作品をコレクションの中心として、平成元年(1989)に開館しました。収集のきっかけとなった松本竣介、野田英夫に加え、二人に関係のあった作家、影響を与えた作家を中心に収集されたコレクションは、7,500点にのぼります。
本展では、戦争と平和の激動の「昭和」の時代を、清新なイメージを求めた「モダン」の視点から、松本竣介《街》を起点に多彩な絵画によってたとります。日本近代洋画史に欠かせない画家たちの個性豊かな作品をお楽しみください。(チラシ裏面の文)

暑くて忙しかった夏、そして台風! で、
この展覧会、気付けば会期もあと少し!!
大学生バイトが少し戻ってきたので、
久しぶりに平日の休みが取れました。
ってことで、私にしてはいつもより早い11時少し前に家を出て、
名鉄三河線の終点「碧南」駅に着いたのが13時少し過ぎ。
なんか駅周辺に美味しそうな匂いが漂ってる気がして
(飲食店も見当たらないのに??)
空腹を感じたんですね。(食欲の秋の到来?)
で、美術館から少し行ったところにある九重味醂がやってる
「K庵」へ行ってみたんです。
K庵: https://kokonoe.co.jp/k-an
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今まで、美術館の帰りに、みりんを使ったスイーツを食べに行ったことは
あるんですが、評判のランチを一度食べてみたかったんです。
でもやはり、1時少し過ぎで、ランチ完売(T.T)
ってことで、美術館に戻り、
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1階の喫茶コーナー「むぎの家」で、
ミレットベジランチ1,540円
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「ミレット」とは雑穀のことらしい。
野菜がたくさん入ったスープも優しい味。
大豆が入ったおかずは甘酸っぱくて美味しかった。
ってことで、まずは食欲を満たして(^^)受付へ。
観覧料一般900円なんですが、前回の展覧会
「春陽会誕生100年 それぞれの闘い」展の半券で、
(感想が書けておりませんが、7月7日(日)に見に来ておりました)
割引になり、団体料金の720円になりました。
(ここの美術館の半券は、入場時の日時から1年間、リピーター券として割引券になります)
この日はここの美術館にしては混んでました。平日なのに‥‥
まずは2階の展示室へ入ると、
第1章-1 自然をながめる―海と山
海を描いた絵が並び、続いて山を描いた絵が並んでいます。
知らない画家の作品も多い。
並んでる絵を見て、とにかくスゴイ!って感動する展覧会もあるけど、
(例えばこの間の石崎光瑤展とか)
なんか絵を描きたくなってくるような展覧会があるんだけど、
(もちろん実際には描かないし描けない。あくまで‘気分’)
この展覧会は後者。なんか海とか山に行きたくなってしまった。
そんなに大きくない絵が多いってのも理由の一つ。
そんな中で、わりと大きめ(130.0×162.1cm)の
松田文雄《海(波)》1939年 が迫力があって良かったな。
第1章-2.自然をながめる―くつろぎの庭
鈴木保徳《翼と花(夾竹桃)》1944年
タイトルを見て絵を見たら、夾竹桃の上の空に飛行機(複葉機?)が
描かれている。1944年っていうと太平洋戦争中の昭和19年かーと。
第2章-1 テーブルの上の物語―花の彩り
三岸節子《花》1986年
白い花がいい感じ。部屋に飾りたいような絵。
第2章-2 テーブルの上の物語―静物のささやき
熊谷守一《玩具》1957年 は、おもわず笑っちゃう(^▽^)
第3章-1 松本竣介ー街
撮影可の松本竣介の作品があったんですが、
ガラスの映り込みで上手く撮れてません。
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左《ニコライ堂の横の道》1941年 右《婦人像A》1942年
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そして、展覧会のタイトルにもなっている
松本竣介《街》1938年
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このブルーがとても素敵だなぁ!!
色から川か港なのか?とよく見たら、車や路面電車、
馬に乗った兵隊に続いて行進する軍隊。
前面にはモダンな洋服の少女(?)や靴磨きと客、背広の人‥‥等々。
建物や人の大きさもバラバラで、それぞれ
描きかけのスケッチのようにも見えるんだけど、
幻想的な雰囲気で、全体としてすごくいい‥‥!!
そして、その隣に展示されてた特別出品だという
松本竣介《黒いコート》1942年1月
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うわー、これとても素敵な絵!!
バックの透明感ある深い赤色がすごくいい!!
第3章-2 松本竣介ーモダンガール
松本竣介が描いた女性のドローイングがまとまって展示されていました。
チラシ裏面に画像がある
安井曾太郎《女と犬》1940年 もいいけど、
東郷青児《羊飼》1935年 が良かったなぁ!
ヨーロッパ留学の画家たち
佐分眞《婦人像》1930年頃 や、荻須高徳のヴェネツィアの絵があり、
第4章 人の形一肖像画から人間像へ
松本竣介《自画像》1943年頃
(この作品撮影可だったんですけど、
ガラスの映り込みで上手く撮れませんでした(T.T)
松田文雄《小春日和》1946年
赤ちゃんをおんぶした少女と、着ぶくれた幼い女の子
赤いほっぺが可愛らしい。
松田文雄《靴直しの男》1935年頃 も良かった。
原田直次郎《靴屋の親爺》1986年 を意識してるんでしょうね。
清水登之《育夫像》1945年
戦死した息子の育夫を描いた絵。
清水登之って、名古屋市美術館「北川民次」展で、
https://shizukozb.seesaa.net/article/2024-08-11.html
民次と同時期にニューヨークで絵を学んだと、
愛知県美術館所蔵の《建築現場(ワーガーデン)》が展示されていました。
愛知県美術館「アブソリュート・チェアーズ」のコレクション展 では、
https://shizukozb.seesaa.net/article/2024-08-18.html
《森に憩う人》1929年 が展示されていました。
パリへも行ってるんですよね。今回の展覧会では
《パリの床屋》1924年 って、モダンでオシャレな絵も
展示されていたんですが、この作品は、それらの絵とは全く違って、
ストレートに息子を正面から描いていて、
白い軍服にバックの青、明るい色調なのが返って悲しみが伝わってくる。
清水登之は、この絵を描いた1945年の12月に亡くなったそう。
浜田知明《初年兵哀歌》のシリーズや他のエッチング作品も
見られて良かった。
2階の展示室を出て、階段を降り、
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1階の展示室では、
第5章 まだ見ていない「かたち」―幻想と抽象
斎藤義重《無題》1999年
深いブルーで塗られた板が、切り抜かれて、
わずかに傾斜をつけてはめられています。
ドリルの穴もある。この作品面白いなぁ!!
(私の説明ではよく伝わらないけど、美術館のこの展覧会のページに画像あります
https://www.city.hekinan.lg.jp/museum/event_guide/kikakuten/20687.html
1階の常設展示室では「自然へのまなざし」というテーマで、
藤井達吉の作品が展示されていました。
(令和6年度コレクション展3期:8月31日(土)~10月20日(日)
この展覧会、ちょっと私の趣味とは違うところもあったけど、
見に行けて良かったです。
藤井達吉現代美術館: https://www.city.hekinan.lg.jp/museum/
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さて、まだ時間あるので、展覧会後の楽しみのスイーツをと、
K庵やここのカフェでもいいけど‥‥と思いつつ、
Google Maps で検索したら、良さそうなところが出てきたので
行ってみることに。
所用時間5分って見たのは車での所要時間だったんだと
歩いている途中で気づきました。
(美術館から碧南駅まででも5分くらいかかりますからね)
9月になっても暑い中、20分くらい(?)で到着したのが、
珈琲館 蔵人
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入口の看板の手描きのスイーツがどれも豪華で美味しそう!
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店内は広く、レトロ感漂う雰囲気でいい感じ。
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バナナクレープ・ア・ラ・モード 単品950円に
アイスコーヒーをセットで1,250円
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バナナ1本入ったクレープに、生クリームが乗り
メロンにキウイ、みかん、チェリーも乗ってます。
しっかりと大きなプリンにアイスクリームと、
すごいボリュームです!!
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しばらく寛いでいたら、昆布茶までいただきました。
帰りは碧南中央駅から名鉄に乗りました。
最寄り駅までの運賃が、碧南からより60円安くなった(^^)v
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