岐阜県美術館「神戸智行-千年を描く-」

7月14日(日)、岐阜県美術館へ行きました。

「菅原道真公1125年
 太宰府天満宮式年大祭記念
 神戸智行
 千年を描く」展をやっています。
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神戸智行(かんべ ともゆき)さんは、1975年岐阜県岐阜市生まれ

2009年11月から2010年1月に開催された
岐阜県生まれの話題のアーティスト7人を紹介する展覧会
岐阜県美術館「Artのメリーゴーランド」展
https://shizukozb.seesaa.net/article/2010-01-10.html
で知ったんですが、日本画の伝統的な様式美で描かれた繊細な絵が、
薄い和紙を重ねて描いていく技法で制作されているって知って、
わーすごいなぁって感動したんです。

その後も、岐阜県美術館「日本画の逆襲」展や、
https://shizukozb.seesaa.net/article/2017-08-17.html
所蔵品展で作品を見てました。

ちょっと前(って思ったら、去年2023年3月12日かぁ)に放送された
日曜美術館
「太宰府天満宮 美の世界 千年の時の流れの中で」で、
太宰府天満宮式年大祭に向け、奉納される24面の襖絵を
神戸智行さんが描いているって知りました。

本襖絵の原画および太宰府天満宮コレクションに岐阜県美術館の所蔵品をあわせて紹介する特別展」とのことで、楽しみにしていました。

岐阜県美術館の後援会員証を提示して入場すると、
なんと、この展覧会撮影可!!

最初に、二曲一隻の屏風が4点並んでいます。
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《芽吹く生命-春-》2016年 大宰府天満宮
《輝く生命-夏-》2016年 大宰府天満宮
《繋ぐ生命-秋-》2016年 大宰府天満宮
《託した生命-冬-》2016年 大宰府天満宮


「Artのメリーゴーランド」展で見て感動した
《いつもの時間》2009年 岐阜県美術館
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銀色に輝く画面に川原の石や小さな草が描かれている
《白い影》2010年 太宰府天満宮
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《いつもの時間》が木曽川で、《白い影》は長良川だとか


あ、これ素敵! デザイン的にもカッコイイ!!
《一瞬の永遠》2011年 太宰府天満宮
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左隻に白梅と太陽、右隻は水に映った紅梅と月なんだ!!


そして、奥の大きな部屋に
太宰府天満宮の襖絵の原画が展示されています。
《千年後の未来》2023年
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‥‥うーん、だけどなんか間延びした印象。
襖絵として使われるとまた違ってくるのかなぁ。

細かく見ると、小さな虫なんかも描かれているんだけど、
一見汚れ?みたいに見えてしまったり‥‥

こんなふうに使われるんですね。
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この2組が襖の表裏になるんだ。
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中央に置かれた円形パネルは、岐阜県美術館所蔵の
桜の花びらが散った《未来への架け橋 ハナモヨウ》2013年 と、
紅葉が散った《未来への架け橋 アカネモヨウ》2013年
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パネル32枚が壁面2面に展示されている
《陽のあたる場所》2010年 太宰府天満宮
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水草の葉の下を小魚やオタマジャクシ、小エビ、亀などが泳ぎ、
トンボやカエルもいます。
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そんな小さな生き物を見つけていくのも楽しいけど、
やっぱり、なんか‥‥無駄に大きい絵だなぁ、なんて(^^;

金地に金魚が泳ぐ上に桜の花びら散っているこの絵は、
《思いをよせて》2011~12年 太宰府天満宮
神戸さんが描いた絵に、東日本大震災の支援の寄附金で
桜の花びらを購入した多くの人が貼りつけて完成したんだそう。
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出口近くの小部屋のガラスケース内には、
パネルに描かれた可愛らしい絵が並んでいます。
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これらは、博多の老舗和菓子店「鈴懸」の懸け紙の原画だそう。
https://www.suzukake.co.jp/

片側には干支をモチーフにしたもの。
クスッと笑ってしまうようなユーモアがあったりします。
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そして片側には季節を感じるもの。
日本画も和菓子も季節を大切にしますね。
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こんなカンジで使われているんですね。
神戸さんのデザイン感覚いいな!
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鈴懸の包装紙の原画も神戸さんが描いているんだ。


この展覧会、

2024年4月13日(土)~6月23日(日)に、群馬県の高崎市タワー美術館で開催され、
ここ、岐阜県美術館は、7月6日(土)~9月8日(日)
そして岡山県の新見美術館に、9月15日(日)~11月24日(日)に巡回します。

ただ、高崎会場限定の展示作品もあるみたい。
(高崎市タワー美術館の所蔵作品を貸してもらえなかったみたいですね(^^;

展覧会後、襖に仕立てられ、2027年に
太宰府天満宮「文書館」に設えられるとのこと。

ショップで、
まぁ、図録は写真もたくさん撮らせてもらったしいいかと。

神戸さんの絵をパッケージに使った
「はたけなか」の「透きとおる麺」ってのが売ってたので、
今の季節冷たくして食べるのにいいかなって買ってみました。
5袋入りで1,836円(税込)
神戸さんの絵を使った手さげ袋に入れてもらえました。
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神戸智行さんの《こころ》という作品の一部とのこと。
「はたけなか製麺」は宮城県白石市の製麺会社だそう。


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この日、岐阜県美術館では
「令和6年度岐阜県青少年美術展」が開催されていて、
(会期: 7月6日(土)~7月15(月・祝)
高校生の青年部と、幼稚園から中学生の少年部の
絵画・デザイン・書道、そして青年部には立体と写真の作品が
展示されていました。無料だったので、ちょっと覗いてみました。

幼稚園や小学校低学年の絵画は面白いけど、
なんか、高校生の絵画は‥‥こんな未熟だったかな?
ってカンジのも多い。

対して、私、書はよくわからないけど、
小中学校生のいかにも「お習字」ってのから、
高校生になると、優美で繊細な散らし書きの仮名文字や、
迫力の掛軸など「書道作品」って感じですごいなって。


岐阜県美術館: https://kenbi.pref.gifu.lg.jp/

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