菅首相の会見は突然で、思いつきのような違和感があったんですが、
福島第一原発の事故が、あれだけ深刻な被害をもたらし、
まだまだ収束のメドもつかない状態であるのを見れば、
浜岡原発に限らず、全ての原発を順次停止させていく、
ドイツのような脱原発路線を選ぶのがいいのではないかと。
実は私、浜岡原子力発電所3号機の炉心真上に立ったことがあるんですよ。
1998年(平成10年)8月20日、
中部電力の浜岡原子力発電所バス見学会に参加したんです。

中電が募集した浜岡原子力発電所バス見学会は、
平成10年の夏は、日帰りコースが12コース、宿泊コースが2コースの、
計680名でした。参加費は日帰りが1人1,500円、宿泊が3,000円。
これを知って、1,500円で夏の旅行と息子の自由研究ができる!と、
早速息子と2人で応募しました。(応募は2名まで)
倍率約20倍だったそうですが、見事当選。
当日は市役所前から8時に出発、バスの中でもビデオ等で説明がありました。
東名相良牧之原I.C.を降りて、御前崎で昼食をいただきました。
(参加費はほとんど昼食代じゃないかと思った、豪華な昼食でした)
浜岡原子力発電所に着いて、まず、浜岡原子力館を見学。
実物大原子炉模型があって、制御棒が上がっていく様子を見ました。

私、なんかこの時の説明で、「制御棒を上げると2秒で原子炉が止まる」
「なので安全」と聞いたんですよね。へーすごいなって感心してたんですが、
停止させた後に冷やすことが肝心だったわけですね。
‥‥生半可な知識はかえって危険ですね。
今回、浜岡原発を停止させるのにも、海水が混入したりするトラブルがあったとか、
「安全性に問題はない」そうですが、やっぱ、こんなことでイザって時に大丈夫なの?って、
不安に思っちゃいますよね。
浜岡原子力館には、中央制御盤の実物模型もありました。(後でホンモノも見学しましたが)
スカイラウンジからは発電所を一望できました。
隣に「新エネルギーホール」があり、太陽光発電や風力発電、燃料電池他、
いろいろな新エネルギーが展示紹介されていました。
こういうエコな発電がもっとできればいいなって思ったんです。
説明によれば、現時点(1998年)ではコスト面や、安定した供給に問題があって、
原子力を中心としたベストミックスな発電が理想とのことでした。

(その時もらった、子供向けにベストミックスを説明するミニ絵本の一部)
そしていよいよ浜岡原子発電所へ。
原子力発電所の敷地内は、建物の中に入るまで撮影禁止でした。
タービン室や中央制御室を見て、

そしていよいよ、靴下と靴を履き替えて、炉心真上へ。
後ろには燃料プールがありました。

この頃の写真、古~いマックに入っているので、取り出すことができません。
当時、手に入れたIllustratorを使うのが楽しくて、こんな凝ったレイアウトをして
アルバムにしてました。(息子がまだカワイイなぁーー)
当時、中電は5号機の増設計画をしていて、バス見学会はその広報の一つだったんでしょうね。
その後2005年1月に5号機 運転開始。そして、1、2号機は廃炉になったとのこと。

その時もらったパンフレット等

阪神大震災の後でしたので

「浜岡原子力発電所は想定されるいかなる地震に対しても十分な耐震安全性を持っています。」

って書いてあるんですが、想定東海地震がマグニチュード8ですか。
自然は時に想定できないような力を持っているんですよね。
(安政東海地震のマグニチュード8.4や限界的な地震も考慮していると書かれていますが)

東日本大震災の津波を思うと、やっぱりこの程度では心配‥‥
「日本の原子炉で、チェルノブイリ原発のような事故は起きません。」
とのことなんですが‥‥

パンフレットは全て、バス見学会の1998年にもらったものです。
浜岡原子力館は無料で見学できます。(原子力発電所の見学はできません)
新エネルギーホールや浜岡周辺を紹介する展示館、
遊具のある芝生広場もなどもあるそうなので、
遊びがてら出かけてみてはいかがでしょう。
浜岡原子力館のサイト:http://www.chuden.co.jp/hamaoka-pr/index.html
この記事へのコメント
影丸
卒業後最初に就職した設計事務所が福島の原発の設計のお手伝いをしていました。
コンクリートの壁の厚さなどが1mから2mあって一般人の常識を超えるものでした。
さすが原発、これなら安心と思っていましたが、・・・。
調教の出来ていない猛獣を飼っているようなもの、暴れだしたら手に終えないんですね。
日本では地震や津波は想定範囲内でなければいけません。
東京電力と政府の癒着が悪の根源の一つでも歩きがします。
ソーラーを始めとする自然エネルギーの開発の遅れを招いたのも東電の権力によるものでしょう。
貴重な思い出の資料、ありがとうございました。
(それにしても物持ちが良いですね、笑)
しーちゃん
昔のモノ、捨てようと思っても、たまに見ると面白くて、結局捨てられずに部屋が片付かないままです。
たまのママ
しーちゃん、見学に行ったことがあるんですねぇ。。
息子さん、カワイイですね。小学生か~。
この間TVで言ってました。
電力会社はお役所的な考えで、発電には、風力・太陽光、そのたいろんな方法があるのに、原子力だけに力を注いで、他には見向きもせず手出しもせず努力もせず、結局こんなことになったと言ってました。
発電・送電を一手に引き受けている電力会社の体制が古いんですね。
電話も昔は公社だったけど、いまはいろんな民間が参画してますものね。
似てますね。
早く意識を変えないとダメな時代になってきたんじゃないかな??
そんなことは誰もがわかっているのに、できない政府。。
まったく~あきれます。。
しーちゃん
sknys
「炉心真上に立ったことがある」なんて、貴重な体験ですね。
今では想像するだけで足が震えちゃいますが‥‥。
「Die Energie 5.2☆11.8」(1982)は電力会社で起こった事件
(低濃縮ウラン盗難による原子炉停止の脅迫〜爆破テロ)を扱った中編。
続編の「X Day」(1985)には1978年、カナダ北西部に墜落した
ソ連の原子炉衛星の破片を拾って被曝した少年が出て来る。
2作とも「反原発」を声高に主張しているわけではないけれど、
核エネルギー(放射能)の不気味さがバックグラウンドにあります。
動機はどうであれ、三原順の作品が広く読まれるのは歓迎すべきこと。
もし今、彼女が生きていたら、どんなマンガを描いたかしら?
しーちゃん