大島弓子『ミモザ館でつかまえて』
1973年の週刊マーガレット第12号に掲載された作品。

この頃の週刊マーガレットには『エースをねらえ!』も『ベルサイユのばら』も
連載されていて、贅沢な時代でしたね。
この作品は、1973年の日本漫画家協会優秀賞を受賞したそうです。
ストーリー
新任教師の園部春子は、男子高校に赴任するため、決まっていた下宿に向う途中、
貼り紙を見て、ミモザ館に下宿することにする。

ちょっと軽率ではないかとも思うのだけど、こんな素敵な洋館に住めるのなら、
(部屋代一月1万円は、当時としても安いのでは? それに、ベッドは
春子が「お姫さまになったみたい」と言う天蓋付きの豪華なもの)
大学出たての春子が「きめたっ」と言うのもわかりますね。
その館に一人で住んでいたのが草下亜麗。
彼はお互いの名前も明かさずに、彼女を下宿させる。
翌日、なぜか時計の針が遅れていて、初出勤から遅刻をしてしまう春子は、
亜麗が、自分の担任のクラスの生徒だと知って驚く。
彼は、毎日2時間目からしか登校せず、ギターをがなりたてる問題児であった。
母親をなくし、父親は外国生活をしていて、父親からの手紙がきてるかどうか、
10時に郵便受けをのぞいてくるために遅刻するのだとか。
亜麗たちに、強制的に音楽を聴かされる春子。
このロックンロールの歌詞、文学的で素敵です。

クラスの男子生徒と同じ家に住むなんてと、あわてて下宿を移ろうとする春子だが、
他の下宿先もなく、学校には秘密に同じ館で暮らすうちに‥‥
当時、年下の男子、それも女教師と教え子という関係は、かなりタブーっぽくて、
その、ちょっと危険な香りと、なんといっても、亜麗が魅力的です。
まぁ、当時のことですから、こんな「ただ一度のくちづけ」のシーンに、
すごくドキドキしました。

大島弓子のふわふわした頼りなげな絵と、
セリフがものすごく多い、怒涛のような展開がとても新鮮でした。
でも「ミモザ館」というわりに、ミモザの木や花って描かれてないんですよね。
この記事へのコメント
行けどん
「モザイク」、ご紹介していただき、ありがとうございます。
最近わたしの方は、仕事を変わりまして、Tシャツのデザインをする時間がとれない状況が続いています。そのうち復帰しようとは思っています。
「ハート心電図」面白いですね。ありそうでなかったハートです。
びっけ
良いものを見させていただきました。ありがとうございます!
女教師と教え子という設定は、ちょっと、いかにもいかにもで苦手でしたが、「How do you do?」のくだりは泣かせます。
タイトルの『ミモザ館でつかまえて』も、秀逸だと思います!
でも、言われてみれば、ミモザの描写は あまり出てきませんね。(^^;
sknys
「ミモザ館でつかまえて」のカラー表紙は初めて見ました。
青インクのページは経年や保存状態によって、裏表が透けちゃいますね。
大島弓子さんはタイトルだけ決めて(予告に載せて)から
ストーリを考えるので、「羊頭狗肉」になることが少なくない^^
ホチキスを外して、パンチで穴を開けて、ファイルに綴じる‥‥
お気に入りのマンガをスクラップしていました。
70年代前半に読んでいたのは少女マンガではなく
少年マンガだったので、「あしたのジョー」や「巨人の星」なんですが^^;
しーちゃん
しーちゃん
しーちゃん
単行本もなかなか買えないので、捨てられないマンガはスクラップしてました。でも、青インクのページは、裏表が透けちゃったり、消えかかったり、保存には向かないですね。私にとっては大切なスクラップなんですが、かなりボロボロ状態です。
灰かぶり姫
私は灰かぶり姫の名でブログ書いています。
たまたま 草下亜麗で検索してみたら 自分のブログの下に しーちゃんさんのブログ記事 ミモザ館・・・がでてました。
読ませて戴いて 感激!でした。
この本は大好きで そして “ミモザの花を見ると思い出す”くだりがまったく私とおんなじで 古いまんがなのに うれしくなってしまいました。
もう この記事は2010年なので このコメントは読んで下さるかどうかわかりませんが
この本の話をしてみたいです。
しーちゃん
大島弓子さんの、少女マンガの革新をされていくわりと初期の作品ですね。読んだ当時は衝撃でした。なんたって亜麗が魅力的だし、ふわふわした頼りなげな華麗な絵が素敵です。
NO NAME
亜麗が死んでしまうのは 衝撃で悲しくって・・・だったけど
いつも心に残っているのは ミモザ館の入り口で ミモザの館の入り口で
体をちょっと傾けて 見ている主人公。
そして ドビュッシーまでひきこなす亜麗
すっごく悲しいさみしい亜麗・・・です。
最近人気の グンソクさんの2年前ぐらい若かったときに 亜麗を演じて欲しい、と 最近 すごく思い出します。
亜麗のキスシーンの絵 きれいですよね。
ありがとうございました。
しーちゃん