金沢21世紀美術館「ロン・ミュエック展」

7月6日に放送されたNHK教育テレビ「新日曜美術館」の「アートシーン」で、
金沢21世紀美術館の「ロン・ミュエック展」が紹介されていた。
衝撃だった! すごい!! 面白い!!!

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金沢21世紀美術館のミュージアムショップで買ったカタログ

ものすごいリアルな人体!!‥‥シリコンを使った皮膚の質感、馬の毛を使ったという体毛
しかし、サイズだけが違う!! 巨大だったり、小さかったり!

カタログの表紙になっている作品「ガール」は、110×502×134.5cmという巨大な新生児

そして、表情やポーズは、特に強い感情を表しているのではないが、見ていると、
こちらの胸がザワザワするような‥‥非常に複雑な気持ちにさせられて‥‥

会期は8月31日(日)まで。ぜひ行きたいと思っていた。
お盆も終わって、パートも昨日・今日と、連休がもらえたので、
今日行かないと、もう行けないと、一人で特急しらさぎに乗って金沢まで出かけた。
最近の私にしては大奮発。こんな遠出も久しぶりだ。

金沢21世紀美術館に行くのは2回目。
前回行った時の記事はこちら
岐阜県美術館後援会旅行(金沢21世紀美術館他)

前回行った時も混んでいたが、今回も、夏休みだからか、
ロン・ミュエック展が人気だからか(アートシーンでも、ミュエック展が
開かれた美術館の入館者記録を軒並み塗り替えたと言っていた)
それとも、いつもこんなカンジなのか、平日なのに、
美術展のチケットを買うにも行列ができていたし、展覧会場も混んでいた。

ロン・ミュエック展は、やはりスゴかった。テレビで見ていたが、
実物を前にすると、そのリアルさはすごい。
血が通っているような皮膚、触れると柔らかくて、温かいんじゃないかと思うくらい。
そして、例えばこの「寄り添う恋人たち」 写真だとサイズがわからないが、
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14×65×35cmという小ささ!
しかし、この恋人たち‥‥表情が微妙‥‥色々考えてしまう。

そして、制作風景を映像で紹介していたが、こんな複雑なプロセスを通して、
このリアルな彫刻が出来ているのかと、あらためてビックリした。
最初に何枚もスケッチを重ねたり、試作品を作ったりするのは当然だと思っていたが、
粘土で塑像を作って、それから型を作って、シリコンを流して‥‥と、
普通の彫刻(?)なら、塑像を作った段階で完成としてもいいのに、
それは型を作るためでしかなくて、型を作った段階で、粘土の塑像は壊してしまっていて、
あーー、あれだけリアルに作っていたのに(鳥肌の皮膚のボツボツまで作っていたのに)
なんかもったいないと思ってしまった。

ロン・ミュエックは1958年オーストラリア生まれ。
映画やテレビの模型作りの経歴をもち、主にロンドンで活動しているとのこと。
これが日本初の個展となるそうだ。


前回来たときはレアンドロ・エルリッヒの「スイミングプール」が
工事中で地下部分に入れなかったので、今回は地下に入るのを楽しみにしていた。
地上からの「スイミングプール」
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地下へ降りて(地下へ降りるには有料展の入場券が必要)こちらが入り口
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地下から見た「スイミングプール」
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水のゆらぎが美しい。本当に水の中にいるような感覚。
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「サイトウ・マコト展」もやっている 8月2日(土)~11月3日(月・祝)ので、
せっかくなので見る。(ミュエック展と共通観覧券は1,600円。単独では1,000円ずつ)
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デジタルで独自のテクスチャーとなった人物像などは、なんとなく
「スイミングプール」での水のゆらぎも思い起こされられた。

市民ギャラリーでは「スヌーピー展」もやっていて、興味はあったが、入場券が1,000円と
いうのは‥‥スヌーピーは好きだが、ちょっと高い気がして(500円なら入ったが)
迷ったが、結局入らなかった。

他にも日比野克彦のアートプロジェクトや、
インスタレーションルームで川崎和男の「プラトンのオルゴール」という展示もやっていた。

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屋根の上に見えるのは、ヤン・ファーブルの「雲を測る男」
様々な植物で覆われた壁面は、パトリック・ブランの「緑の橋」という作品。

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これらの作品を見ることができる休憩用のロッキングチェアがうれしいスペースは、
無料で入ることができる。鮮やかな壁面は、加賀友禅をモチーフにしたという
マイケル・リンの「市民ギャラリー1004.10.9-2005.3.21」

エレベーターも、枠組みがなく、ちょっと未来的な雰囲気。
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ガラス張りの丸い建物と、周囲の芝生がとても開放的。
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芝生に配置された椅子も、こんな未来的で、なかなか座り心地も良い。

金沢21世紀美術館のホームページはこちら
http://www.kanazawa21.jp/

この記事へのコメント

  • マアカ

    夫の実家が北陸なんで、そっち関係の知り合いから「楽しい美術館だよ~」って聞いてます。
    今年の夏こそ行きたかったんですが、残念ながら一泊二日の旅になっちゃったし。
    いつか必ず行きたいです。
    2008年08月23日 19:44
  • しーちゃん

    マアカさん、コメントありがとうございます。評価の定まった絵を並べるだけの美術館ではなく、こんな斬新で実験的な美術館を作ってしまう金沢の文化の高さはすごいです。市民に広く開放されているのもいいですね。ぜひ行ってみてください。
    2008年08月25日 02:44
  • マアカ

    5年たちましたが、いよいよ行ってまいります。
    本当に楽しみです。
    来週にはご報告できるかと思います。
    ずっとワクワクどきどきしていました。
    2013年08月10日 21:30
  • しーちゃん

    マアカさん、行ってらっしゃいませ!ご報告楽しみにしています。
    2013年08月11日 16:20

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